日本では現在多くの認知症の患者が居ます
認知症になると意思確認ができなくなるのこともあり通帳からまとまったお金を引き出すことができなくなることで凍結された資産がおよそ200兆円にものぼり日本経済の中でも大きな問題となっています。
認知症になるとできなくなること
1.不動産の売却ができない
不動産の名義人が、認知症になると、不動産の売却ができなくなります。不動産の売買契約における決済の時点で、不動産名義人の(売主)意思能力が必要です。
認知症により意思の確認ができない場合、有効な契約ができないので、売却することができません。ご本人の為の必要費を支払うための売却であっても、本人は契約をすることができません。
また、たとえ親族であっても単純に代理することはできません。
2.お金の引き出し・振込・振替手続きができない
認知症になると、銀行口座からまとまったお金を引き出すことができなくなります。
事実上の口座凍結状態になります。銀行側は親族間のトラブルや犯罪防止のため、意思能力の確認を必要としています。
本人は、銀行に行くことができなかったり、各種手続き書類を記載できない、窓口にて正常な受け答えができないなどの理由から、お金の引き出しが難しくなります。
銀行の判断により口座凍結をされてしまった場合、原則名義人が亡くなり、相続手続きが終わるまで、払い戻しができないことになります。
3.相続税対策ができない
認知症になってしまうと、贈与や不動産活用(賃貸等で収益を得る)などの、相続税対策をすることができません。
不動産・預貯金・有価証券などの財産を「使用・収益・処分」する場合には、意思能力の確認を伴う手続きが必須ですので、例え100%本人のためでもすることができません。
現社長が自社株式を100%保有している場合でも、認知症になってしうと、株式を贈与・売却することはできません。
4.遺産分割協議ができない
親族が亡くなり、遺産分割協議が必要な時に、相続人が認知症である場合、相続手続きができなくなってしまいます。
一般的に相続手続きでは、相続人全員で遺産分割協議を行います。
遺産分割協議は、相続人全員の意思の一致が必要であるため、認知症の人がいた場合は協議ができません。
認知症になる前に家族信託
家族信託とは、「自分で自分の財産管理をできなくなってしまった時に備えて、家族に自分の財産の管理や処分をできる権限を与えておく方法」のことをいいます。
他人に財産管理を任せて運用を行ってもらう方法としては投資信託などが人気ですが、家族信託は財産管理のための報酬が発生しない家族間での利用が想定されているという特徴があります。
家族信託をしておけば、もし自分が認知症になっても信託を受けた人が財産を管理運用しているので、自分の生活費や、入院費も銀行から引き出せます。施設に入るためにまとまったお金が必要な時は不動産等を売却することも可能です。
将来子供や孫たちに迷惑がかからないように今から準備してみることもご検討ください。
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